『mame-sadou.com』にようこそ、表千家流の茶道講師・やましたです!
竹蓋置の、炉用と風炉用との見分け方について解説した記事です!
釜の蓋や柄杓を置くのに使う茶道具ですが、その中でも竹蓋置はもっとも素朴で侘びたものとされます。
この記事では、炉用と風炉用の判別法に加え、竹蓋置の種類・その使い分け・水屋での準備の仕方についても解説します。
茶道に欠かせない竹蓋置について、一通り知っていただける記事になればと思います!

それでは早速見ていきましょう!
竹蓋置の見分け方
竹蓋置の見分け方は、節の位置を見ることです。
節の高さが上端の高い位置にあるもの(「天節」)が風炉用、節の高さが真ん中からやや上の位置にあるもの(「中節」)が炉用です。

両者を上から見ると下のようになります。

左の炉用の竹蓋置の方が、右の風炉用の蓋置よりも直径が大きいです。
この直径の大小も、特に一緒に作られたもの(「一双」といいます)は、大きい方が炉用・小さい方が風炉用となっています。

柄杓が炉用はたっぷり掬えるように大きく、風炉用は小さめなので、竹の蓋置の大小も、そのことと関係するのでしょう
竹蓋置の準備の仕方
水屋での準備の仕方

①水皿の上で竹蓋置に柄杓を掛け、かいげで水をかけます。

柄杓の合から柄までたっぷり掛けます。そうすることで蓋置も清められます
②柄杓の水気を布巾で拭きます。
③蓋置の上と側面は布巾で押え拭きし、底は雑巾で拭きます。
④建水に正面を揃えて入れ、柄杓も掛け、準備完了です。

建水の正面と竹蓋置の正面が同じ向きに向くようになり、柄杓は柄の先が建水・竹蓋置の正面側に乗る形です
竹蓋置の正面の決め方
竹の蓋置の正面は、景色によって竹ごとに決めます。
花押などが書かれていたら決めやすくて、その花押が正面にくるようになっています。
花押など目印がなく迷う場合は、竹蓋置が上から見た時、楕円形になっているなら、横長の楕円になるように正面を決めます。

横長の楕円にするのは視覚的な安定感からです
竹の皮には景色がないものが多いので、節の景色を見た方が決めやすいはずです。
節を見てもこれといって決めかねることも多いかと思いますが、自分なりに「ここ」と決めてお点前に入ります。
正面をちゃんと決めてお稽古した方が、お点前のお稽古としても良いものになるはずですので!
竹蓋置の種類
竹の蓋置の種類には、以下のものがあります。
- 青竹(引切)
- 古竹
- 古竹(花押入り)
青竹の蓋置(引切)は、そのお茶会のために切り出して使うもので、基本的に使い捨てのものです。

千利休の時代には、すでに竹の蓋置が使用されていましたが、当時はもっぱら青竹(引切)が使われていました。
竹蓋置の使い分け
こうした3種類の竹蓋置の使い分けですが、正式なお茶会では青竹か花押入りの古竹の蓋置を使います。
花押のない一般的な古竹の蓋置は、基本的にお茶会で使うものでなく、お稽古用とされています。
さらに一歩進んだお話として、青竹の蓋置は改まった正月などに、棚でなく運びの際に使われ、
風炉の名残の頃(10月)のお茶会には枯れた古竹の方が似合う、などというものもあります。

堀内宗匠の著作に書いてあったお話です。なるほど!と思わされるお話ですね。
まとめ
ということで、竹蓋置についてまとめますと、以下のようになります。
・竹蓋置は、節の位置(高さ)が上端のものが風炉用、中ほどのものが炉用
・竹蓋置の正面は、景色を見て決める
・正式なお茶会では、青竹や花押付きの竹蓋置を使う、花押のない古竹の蓋置は、基本的にお稽古用
以上です!
竹蓋置について調べているみなさまに、この記事がお役に立ったならうれしく思います!