『mame-sadou.com』にようこそ、表千家流の茶道講師・やましたです!
茶道の銘のうち、3月に使われる主な銘を一覧にまとめた記事です。
茶道の世界には細やかな季節感があり、季節ごとの言葉が、主菓子や茶杓などの道具の銘としてつけられ、
お茶会で、お稽古で、いつも私たちを楽しませてくれます。
この記事を読むことで、そんな主な茶道の3月の銘を、一通り確認していただけます!
それでは早速見ていきましょう!
3月の銘
青柳(あおやぎ)
早春に芽吹いた柳が春風になびいている風情と、その色彩を賞美する言葉。
あけぼの
ほのぼのと夜が明け始めるころのこと。
清少納言が春の夜明けを称賛した、「春はあけぼの・・」の文は有名ですね。
糸遊(いとあそぶ)
暖まった地面から立ち上がる水蒸気によって、遠くのものが揺らめいて見えること。
朧(おぼろ)
ぼんやりと霞んでいる様子。特に月の光がぼんやり霞んでいること(「朧月」)を指します。
面影(おもかげ)
これまでに出会った人の姿や物の様子。またはそれを思い出させる人や物のこと。
また、実際には存在しないのに見える幻のようなもの。
陽炎(かげろう・かげろひ)
温まった地面から立ち上がる水蒸気で、遠くのものがゆらめいて見えること。
はかないもの・うすいものの例えにも用いられます。
「糸遊(いとあそぶ)」も同様の意味です。
霞(かすみ)
空気の中に微細な水滴が浮遊するため、遠くのものがうっすらぼやけて見える現象。(秋は同じ現象を「霧」といいます)
霞衣(かすみごろも)
霞のかかった景色を、薄い衣と見た言葉。
好日(こうじつ)
心おだやかに過ごす一日のこと。ほっこりした春にふさわしい言葉です。
佐保姫(さほひめ)
春を司る女神。佐保山は当時の都である奈良の東にあり、方角として春にあたることから。
早蕨(さわらび)
新芽が出たばかりの蕨のこと。
残雪(ざんせつ)
春になっても解けないで残っている雪のこと。
春山(しゅんざん)
春のころの山のこと。春の季語。
春色(しゅんしょく)
春の景色・気配のこと。春の季語。
春水(しゅんすい)
春になって流れ出す雪解け水のこと。
西王母(せいおうぼ)
中国の伝説の仙女。三千年の寿命を与える桃の実を持っていたことから、桃の節句にかけて春の銘となります。
玉琴(たまごと)
玉で作った琴のこと。また、琴の美称。
千歳(ちとせ)
長い年月のこと。
「桃花千歳春」という、桃の花が千年変わらず、春を告げて無心に咲く、ということを表した禅語があるため、春の銘として用いられます。
遠霞(とおがすみ)
遠くをぼんやりとおおっている霞のこと。
のどか
よく晴れて、天候もおだやかなこと。春の季語。
羽衣(はごろも)
空を飛ぶことができるとされる、天女が着る衣のこと。
初筏(はついかだ)
春になって、その年初めて筏を作ること。
花の影(はなのかげ)
特に月の光などによってできる花・木の影のこと。とくに桜の木の影を指します。
花の宿(はなのやど)
花が咲いている宿や家のこと。春の季語。
春霞(はるがすみ)
春に見られる霞のこと。
春風(はるかぜ)
春のおだやかな風のこと。春の季語。
春草(はるくさ)
春になって生え出てくる草のこと。春の季語。
春雨(はるさめ)
しとしとと降る、春の雨のこと。春の季語。
春の野(はるのの)
春になり、草木が芽吹いてくる野のこと。春の季語。
三千歳(みちとせ)
非常に長い年月のこと。
西王母が持っていた、三千年に一度実を結び不老長寿の効果がある桃のことを、「三千歳の桃」と呼ぶことから、「三千歳」は春の銘に入っています。
熊野・湯谷(ゆや)
能の一つ。
平宗盛の愛妾熊野は、病に冒された母を案じて暇を乞うが許されず、花見の共をさせられる。そこで、突然降り出した雨により桜の花が散るのを見、熊野が詠んだ歌に、宗盛が哀れみを感じて帰郷を許す、という話です。
若草(わかくさ)
春になって新たに生えてきた草のこと。春の季語です
若菜(わかな)
春に芽生えたところの、食べることができる草のこと。
若緑(わかみどり)
松が枝の先に出す新芽のこと。
和気(わき)
春ののどかで暖かい陽気のこと
まとめ
ということで、3月の茶道の主な銘は、以下になります。
青柳・あけぼの・糸遊・朧・面影・陽炎・霞・霞衣・玉琴・好日・佐保姫・早蕨・残雪・春山・春色・春水・西王母・千歳・遠霞・のどか・羽衣・初筏・花の影・花の宿・春霞・春風・春草・春雨・春の野・三千歳・熊野・若草・若菜・若緑・和気
春の情景を表現した言葉ばかりで、ほっこりした気持ちになりますね。
以上です!
この記事が、3月の季節の言葉について調べているみなさまに、お役に立ったならうれしく思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!