茶道の銘|11月【一覧】

季節の銘
マサコ アーントによるPixabayからの画像
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『mame-sadou.com』にようこそ、表千家流の茶道講師・やましたです!

茶道の銘のうち、11月に使われる主な銘を一覧にまとめた記事です。

茶道の世界には細やかな季節感があり、季節ごとの言葉が、主菓子や茶杓などの道具の銘としてつけられ、
お茶会で、お稽古で、いつも私たちを楽しませてくれます。

この記事を読むことで、そんな主な茶道の11月の銘を、一通り確認していただけます!

では早速見ていきましょう!

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11月の銘

小倉山(おぐらやま)

京都市右京区の西部にある山で、紅葉の名所

大原女(おはらめ)

大原付近から柴や薪を頭にのせて京都市中を売り歩く、行商人に女性のこと

開門(かいもん)

「開門多落葉」、朝になって門を開くとあたり一面落ち葉でいっぱいだった、という茶掛けにもよく使われる詩の一遍があります

11月になり炉を使い出す頃も、「開く」「開炉」というので、「開門」は11月にふさわしい言葉です

吉祥(きちじょう)

めでたい兆しのこと

11月になり炉を開くことは、無事にこの時を迎えられて、とお祝いするものでもあるので、おめでたい言葉もふさわしいです

錦秋(きんしゅう)

鮮やかな紅葉の様子を、鮮やかに織られた錦に例えた言葉です

小柴垣(こしばがき)

小さく細い柴で作った、低い垣根のこと

さを鹿

漢字だと「小男鹿」と書きます

雄の鹿のことで、「さ」は神聖なイメージを付与する接頭語です

残菊(ざんぎく)

重陽の節句(旧暦9月9日)以降に咲く菊のこと

秋を過ぎて初冬にも咲いている菊にもいいます

山居(さんきょ)

山中に住むこと。また、その住居のこと。隠遁者の住居のこと

茶の湯初期の頃、京都市中の茶人の茶室は、「市中の山居」と評されました

三夕(さんせき)

「三夕の和歌」のこと。「秋の夕暮れ」を結びとする、3首の名歌のこと

時雨傘(しぐれがさ)

時雨の時さす傘のこと

柴の庵

柴で屋根を葺いたような粗末な住まいのこと

また、戸のことを「柴の戸」という

柴垣(しばがき)

柴を用いて編んだ垣根のこと

その侘びた風情から茶席などでよく使われます

柴の雪(しばのゆき)

刈り取った柴(雑木)の上に雪が積もる様子のこと

霜柱(しもばしら)

冬の夜、土の中の水分が地表にしみ出て凍結してできる、小さな氷の柱の集まりのこと

秋霜(しゅうそう)

晩秋にみる霜のこと

秋色(しゅうしょく)

秋の日差し、月の光、星の光、草木の色付きなど、秋の景色や気配を全て含めて表す言葉です

秋の日差しは「秋光」といいます

松籟(しょうらい)

松に吹く風のこと。またその音のこと

瑞雲(ずいうん)

めでたいことが起きる前兆の雲のこと。五彩を放ち甘露の雨を降らせるといいます

11月に炉を開くことは、おめでたいこととされているため、こうしたおめでたい言葉が使われます

千秋(せんしゅう)

千年。千歳。また長い年月のことを指します

「千秋万歳」という言葉がありますが、これは、千年万年、永遠、永久、また、それを願う言葉です

龍田(たつた)

平城京の西にある龍田川は、紅葉の名所として知られています

立田姫(たつたひめ)

秋の女神のこと。龍田川から名前をいただいたものです

千歳松(ちとせまつ)

千年もたつ松のこと。長寿の例えとしても使われます

聴松(ちょうしょう)

「閑座聴松風」という禅語があり、それにちなんだ言葉です。「松風」は松を鳴らす風の音、また、その音に似た釜が鳴る音のこと

心静かに松風を聞くことをいいます

散紅葉(ちりもみじ)

地上や水上に散り落ちた紅葉のこと

常盤(ときわ)

常に変わらない岩のことをさす言葉

また、冬でも色を変えない常緑樹のことも指します

初時雨(はつしぐれ)

その冬最初の時雨のこと

「時雨」とは、初冬の頃に、晴れていたかと思うと急に降り出し、まもなく止む雨のことです

初霜(はつしも)

その年最初に降りた霜のこと

晩鐘(ばんしょう)

寺で夕方に鳴らされる鐘のこと

福寿(ふくじゅ)

幸福で長寿であることを指します

峰の松風

峰に立つ松に吹く風のこと

「琴のねに峰の松風かよふらし いづれのをよりしらべそめけむ」(斎宮女御)という有名な和歌があります

深山路(みやまじ)

深い山の中の道のこと。「みやま」には山の美称(美山)という意味合いもあリます

紅葉狩(もみじがり)

紅葉見物のこと。『万葉集』に「紅葉狩」の文字があり、古くから日本人には好まれてきました

山の錦(やまのにしき)

山が紅葉した景観を錦に例えた言葉

落葉(らくよう)

冬の木々の、地面に落ちてしまった葉のこと

まとめ

ということで、11月の茶道の銘についてまとめますと

雄倉山・大原女・開門・吉祥・錦秋・小柴垣・さを鹿・残菊・山居・三夕・時雨傘・柴庵・柴垣・柴の雪・霜柱・秋霜・秋色・松籟・瑞雲・千秋・龍田・立田姫・千歳松・聴松・散紅葉・常盤・初時雨・初霜・晩鐘・福寿・峰の松風・深山路・紅葉狩・山錦・落葉

おめでたい言葉が多く見られるところに、炉が開く11月ということを感じますし、雪や落葉という言葉が出ていることには、冬の到来を感じさせられます

以上です!

この記事が、11月の茶道の銘・季節の言葉を調べているみなさまの、少しでもお役に立ったならば嬉しく思います

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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