『mame-sadou.com』にようこそ、表千家流の茶道講師・やましたです!
表千家の主菓子の取り方、茶道の作法について画像付きで解説した記事です。
蓋物の菓子器で説明しています。
主菓子とは何か、取る順番、食べ始めるタイミングについても解説していますので、
表千家流の主菓子の取り方についての作法について、一通り確認していただけるはずです!
それでは早速見ていきましょう!
主菓子とは何か
抹茶をいただく前に、少しお腹を満たす・抹茶の味を引き立てるために甘味を味わう、そうした役割としてお菓子があります
そのうち、上生菓子のようなお菓子を主菓子といいます
上生菓子というのは、主に練り切りやこなしなどで作られる、花や自然など季節の風物を表現したお菓子のことです
もともと正式には、濃茶の前にいただくのが主菓子、薄茶の前には干菓子というようになっていましたが
現在では薄茶だけの場合などにも主菓子が使われることが多いです
主菓子の取り方:蓋物
主菓子が入る器は主菓子器というようにいいますが、いろいろと種類があります
このうち、今回は蓋物の主菓子器(蓋がついた主菓子器)の場合の、主菓子の取り方を解説します
挨拶をする
まず、お茶会などでお運びさんが菓子器を運んできてくれる場合、礼があるので、受けていっしょに礼をします
(画像左)最初、菓子器は縁外・正面にあります
自分の次の席(普通左隣)に誰か座っているなら、縁外・相手との間くらいに菓子器を置き、「お先に頂戴します」の挨拶をします
(後ろの席に誰もいなければ不要)
(画像中)菓子器を両手で持ち、少し掲げ押し頂いてから再び縁外・正面に置き、亭主に「頂戴いたします」の挨拶をします
「挨拶」というのは、畳に手をついて礼をすることです。声を出すかどうかは、その場の雰囲気に合わせます
(画像右)懐紙を束ごと出して、「わさ」(折り目のある方)が手前にくるように膝前に置きます
蓋を開ける
蓋を開けるために、まず黒文字(竹製のお箸のようなもの)をとります
(画像左)菓子器に左手を添え、右手で黒文字を持ち
(画像右)懐紙の右上に掛けます
(画像左)菓子器の蓋を左手で真横・右手は取っ手(取っ手がない菓子器の場合は真横)を持ち、そのまま膝上まで持ってきます
(画像中)左手は蓋の真横のまま、右手を左手の下あたり・4本指が上になるように持ち、右手を使って裏返します
両手で真横から持ち
(画像左)裏返した蓋を両手で持ったまま、菓子器の右横に置きます
主菓子を取る
(画像左)黒文字を右手で上から持ち上げ
(画像中)左手で支えて右手がお箸を持つように持ち替え
(画像右)左手を器に添え、お菓子を懐紙の真ん中に載せます(お菓子がいくつも入っている場合の取る順番は後ほど解説します)
黒文字の先の方はお菓子をつまむ部分なので、手を触れないように気をつけます
蓋を閉める
蓋を両手で真横から持ち上げ、膝の上まで持ってきます
(画像左)右手真横のまま、左手が右手下・4本指が上の状態で持ち直し、左手を使って表返します
開ける時は右手を使って裏返したので、閉める時は左手を使って表返して辻褄を合わすを合わす、と覚えれば良いです
(画像中)左手・真横、右手・取っ手と持ち
(画像右)両手で蓋を閉めます
(画像左)懐紙の右上角を折って、黒文字を挟み、右手で引いて黒文字の先を清めます
(画像右)左手を菓子器に添え、右手で黒文字を蓋の上に載せます
お茶会などでお運びさんがいる場合は、正面を外向きにして置いておき、お稽古などでは、脇に置いておいたりします
主菓子の作法:取る順番
菓子器の中にいくつかの主菓子が入っている場合の取り方は
①まず手前から
②手前の同じ高さに複数ある時は、その中の一番右から
となっています
例えば画像のような形で3つ入っている場合
①右下→②左下→③上
の順番で客は取っていきます
亭主側は客が取るのと逆に上から入れていき、客が一人取っていくごとの景色を考えて入れています
主菓子の作法:食べ始めるタイミング
主菓子を無事取った後、そのお菓子を食べ始めるタイミングは
正客が食べ始めてから
となります
正客というのは、先頭に座っている客のことです
自分が正客の場合は、みなさんが取ってからが基本ですが、それを待っていたらお茶が出てきてしまうと思えば、その前に食べだします
まとめ
ということで、蓋物の菓子器の時の、主菓子の取り方についてまとめますと
・最初蓋を開けて裏返す時は右手を使い、最後蓋を閉めるのに表返す時は左手を使う
・何人かで取る場合は、蓋は最後の客まで手渡しで回していく
・最後に黒文字を懐紙で清めて菓子器に載せる
以上です!
この記事が、茶道での主菓子のいただき方について調べているみなさまの、お役になったならば嬉しく思います
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!