初めまして。茶道講師の山下晃輝と申します。
今回の記事では、初めてお茶会に参加する方のために、お茶会の流れ・注意事項をまとめてみました。
お茶会といっても色々とあるのですが、今回は最も一般的な、気軽な大寄せ茶会を想定して書いていこうと思います。
各お茶会によって少しずつの違いはあると思いますので、その点はご容赦くださいませ
初めてのお茶会への参加は、楽しみがありつつ、少し緊張もあるかもしれません。
この記事を読んでお茶会の流れを予習することで、安心して当日を迎えていただけたら嬉しいです。
用意するもの
持ち物は、①懐紙、②菓子切り、③履き替え用の靴下、があれば大丈夫です。(詳しくは下の記事を参考下さい)
服装は、男性ならスーツ、女性ならワンピースなどキレイめな服装で。
指輪やネックレスなどお茶碗を傷つけそうなアクセサリー、お茶の香りの邪魔になる強い香水などは避けましょう。
お茶会の時間
例えば、お茶会の案内に書かれた時間が、「10時〜15時」となっていた場合。
10時に受付スタートで15時に受付を締め切るのかな、と思いますよね。でもそうとは限らないのです。
開始時間
開始時間については、書かれている時間ぴったりに始まるお茶会は少なくて、だいたい30分前とか、早ければ1時間前に始めるお茶会が多いです。
客側も慣れた方はそれをわかっていて、その一席目に入れるように集まっていたりします。
その一席目の特徴としましては、茶道経験者が多いということと、あとは例えば知事さんや市長さんなど、そういった方がいらっしゃることも多いです。
ですので、一席目に入りたいかどうかは人によってわかれるところで、
こんな感じですかね。個人的にオススメの時間帯は後ほど。
終了時間
案内に「15時まで」と書いている場合、受付が15時までなのではなく、お茶会が終わるのが15時と思っておいた方がよいです。
お茶会にもよりますが、案内に書いてある終了時間の10分前に着いてギリギリセーフと思っていたら、もう片付け始めていてアウトだった。ということもありえます。
案内の終わりの時間の1時間前までには着くようにしておくのがよいです。
オススメの時間帯
各お茶会によって異なるかと思いますが、オススメは開始時間ごろの、早めの時間です。
基本的に、お茶会の時間が後になるほどに、どんどん待つ人数が増えていき、待ち時間が長くなっていくものです。
私も中途半端な時間に行って、1時間半から2時間待ったことがあります
開始時間頃だと、最初の席には入れなくても、一席待つ程度で入れることが多いかと思います。
また、早い時間だと経験ある方がいらっしゃることが多いので、正客に座ってくれ、いろいろなお話を聞けることも多いので、これも早めの時間をオススメする理由です。
受付
お茶会に行くと、まずは受付です。
料金を渡して、あれば芳名録に名前を書きます。
料金はお釣りがないように用意しておきます。料金の渡し方は、気軽な大寄せのお茶会の場合だと、そのまま裸で渡す場合が多いです。
受付では番号札を配られることが多いので、その番号札を大切に持っておきます。
待合
受付を済ますと、待合で順番がくるまで待ちます。(受付と同じ部屋か、違う部屋のこともあります)
待合で大切なのは、正客の席には座らないことです。
「どこも席が埋まっているけど、空いてる席があった、ラッキー!」と思っていたら正客の席だった、というのはあるあるです
正客の席の見分け方は、「莨盆」が置いてある席です。
この莨盆があるところは、空いていることが多いでしょうが、座らないようにしておきましょう。
どこがどうとかない場合もあるので、そんな時は空いているところに座りましょう。
席入
亭主側の準備ができれば、「〇〇番から△△番までのお客様・・・」という形で呼び出しがあります。
その中に自分の番号が入れば、いよいよお茶室に入ります。(これを「席入」と言います)
もし一緒に行った仲間との間で区切られてしまった場合、人数が多ければ諦めるしかないですが、一人二人なら呼び出しの方に頼んでみるのも一つです。
無理な場合は、後ろの方に譲って、次の席に一緒に入るようにさせてもらう方法もあります。
正客の席に座らない
この席入の時に最も大切なのは、
正客の席には絶対に座らない
ということです。
正客というのは、お茶会において基本的には唯一亭主と言葉を交わせる役割なので、
亭主からどんな話を聞き出せるか(=その席の客がどんな話を聞けるか)は正客によって決まります。
なので、みなさん正客になるのは避けたがり、ここで「正客の譲り合い」というお茶会の最も激しい戦いが繰り広げられます。
亭主「さあどうぞどうぞこちらへ詰めて座って行ってください」
客「・・・」(後ろの方の席に固まる)
亭主「こちらの方空いてますよ!どうぞどうぞ!」
客「・・・」(誰も動かない)
(※この時目が合うと促されるので注意)
亭主「では前の方からそのまま前に詰めていきましょう!」
客「・・・」(誰も動かない)
亭主「(知り合いを見つけて)あっ、〇〇先生じゃないですか!どうぞどうぞ!」
〇〇先生「私なんかとてもとても。。△△先生どうですか?」(人を巻き込む)
亭主「△△先生どうぞどうぞ!」
△△先生「いえいえ私なんか・・」
・
・
以下譲り合い
で、結局〇〇先生が正客に着いて、他の客も安心して座る、みたいなことが行われます。
(さらに「腕を引っ張る」みたいなアクションが付くこともあります)
すんなり決まることもありますし、今回の例のように長くなることもありますが、これもお茶会につきもののことと思って楽しみましょう。
自分に注目が集まった時には「何もわかりませんので」で通して、絶対に正客には座らないようにしましょう
そして、できたらお点前が見える席をキープできれば言うことなしですね。
お茶会
全員席に着くと、まず亭主から正客への挨拶、次にその他の客に対する挨拶の後、お点前が始まり、お菓子が運ばれ、いよいよお茶会スタートです。
お茶のいただき方など作法も気になるかもですが、流派によっていろいろですし、そんなに大事な事ではないです。
両手で大切に持って、亭主が心を込めて用意した抹茶、味わって飲んでください。
そして、とにかくお茶会の時間を楽しんでください。
まとめ
ということで、まとめますと、
・時間は早めがオススメ
・正客の席には絶対座らない
・作法は知らなくても大丈夫
流れを知って、少しでもお茶会に参加するハードルを下げてもらえたらと思い、この記事を書きました。
広く募集されているお茶会では、初心者の方がいらっしゃることを想定されているので、ぜひ気軽に参加してみてください。
お茶会にレッツゴー