『mame-sadou.com』にようこそ、表千家流の茶道講師・やましたです!
初めてお茶会に参加する方に向けて、服装や注意点のポイント、作法についてまとめて解説した記事です。
お茶会における茶道の作法についても細かいところまで書き起こしているのですが、作法を完璧にできる必要はないと思うので、
見出しを流し見て、「こういう流れなんだ」と確認する程度で十分かと思います。
茶道をしている方で、『身につけるためにもちゃんとしたい!」という方は、お茶会の作法の予習・復習にお使いください。
この記事を読み終えることで、お茶会参加のポイント・作法を確認していただけ、初めてのお茶会を楽しむ準備をしていただけるはずです!
では早速見ていきましょう!
お茶会参加に向けて
作法はできなくて大丈夫
HPや地域の新聞などで、広く参加者を募集しているようなお茶会などでは
茶道をしていない方・初心者の方・他流派の方が多くいらっしゃることが想定(期待)されています
広く募集しているお茶会は、「茶道を広める」という思いが強いお茶会です
ですので、「このお茶会に参加するために作法を覚えておかなければ」ということは全くないかと思います
作法がないとお茶会が成立しないわけではなく、その場を尊重する気持ちだけ持っていれば大丈夫です
後ほどお茶会の作法についてまとめていますが、茶道をやっていて勉強したいという方以外は、
「こんなことが行われるんだな」と見出しを流しみしていただくだけで大丈夫かと思います
まずはお茶会で気をつけるべきポイントを次にまとめましたので、これは是非みなさんチェックしておいてください
お茶会参加のポイント
服装・持ち物
服装については、男性ならスーツ、女性ならワンピースなど「フォーマルで清潔感ある服装」が良いです
指輪やネックレスなどお茶碗を傷つけそうな、また、お茶の香りの邪魔になるような、アクセサリー・強い香水などは避けましょう
持ち物は、①懐紙、②菓子切り、③履き替え用の靴下、があれば大丈夫です。(詳しくは下の記事に書いています)
最重要は、先頭(正客)に座らないこと!
お茶会での客の先頭の位置に座る人というのは、「正客」と呼ばれ、亭主と会話したり、特別な役割があります
ですので、先頭(正客)の位置に座らない、ということだけには気をつけてください
もし勧められても、「初めてのお茶会ですので」と正直にお伝えしてお断りすれば大丈夫です
周りの人に合わせて動く
作法がわからない場合、先頭以外の席に座れば、あとは周りの人に合わせれば大丈夫です
周りの人に合わすといっても、タイミングが遅れたり、間違ったりも起こるでしょうが、それは問題ないです
その場に合わせるということは、その場に対する尊重を示すということですから、そういう意味で、わからなくても周りの人に合わせるという姿勢が大事です
どんな作法が行われるか、以下に詳しくまとめています
お茶会の作法
以下のお茶会の作法については、予習・復習をしたい方以外は、見出しを流し見して「こういう流れなんだ」と確認するだけで十分かと思います
受付
受付ではお茶会の料金を渡します
料金は、市民茶会のような開かれたお茶会の場合、小銭ならばそのまま渡せば大丈夫です
お札ならば、懐紙に包んで渡します
席入
受付を済まし待っていると、順番が来たら茶室に入ります
この時、遅すぎるのもよくないですが、先頭で入るのは避けます
茶室への入り方「席入」は作法がありますが、お茶会によっては省略されることも多いので、前の人たちの様子を見て、合わせます
席入の作法は省略されることの方が多いです。その場合、みなさん立ったまま入って席に着きます
きっちりと席入するお茶会の場合は、以下のようになります
①茶室の前で座り、茶室に対して礼をする
②茶室ににじり入り、正客さんに礼をする
③立ち上がり、床の前まで歩いて行く
④床の前に座り、床に対して礼をする
⑤床に飾られたお軸・花を拝見する
⑥見終わると床に対して礼をする
⑦自分の席に座る(前の人の隣)
⑥と⑦との間に、点前座の道具を拝見する、というのが入る場合もありますが、そこまではしないことが多いです
ここまでの礼では、扇子を持っていれば、前に置いての礼になります
お茶会
挨拶
亭主が出てきて挨拶をします
亭主の最初の挨拶は、まず正客に対してで、その後、残り全員との挨拶となります
「ようこそお越しくださいました・・・」
というような挨拶をされると思うので、少しにじり出て、扇子があるなら前に置いて礼を受けます
挨拶が済むと、元の位置に下がり、扇子は体の後ろに、先を右側に向けて置いておきます
茶道の中には、礼・挨拶が多く(この後にもたくさん出てきます)、そのタイミングがポイントになります
お点前の礼
お茶会が始まると、お点前さんの礼があります
タイミングとしては、基本的には、お点前が始まる時・片付けに入る時・お点前を終えた時の3カ所です
その時には、周りの人も礼をするはずなので、気づかなければ合わせて礼をすれば大丈夫です
お菓子をとる
挨拶が済むと、お菓子が運ばれてきます
何人かで一つという形で菓子器が運ばれてくるので、自分の目の前に運ばれてきたら、運んできてくれた方の礼を受けます
お菓子の取り方は
①後ろの席(左隣)の人に「お先に頂戴します」と手をつき挨拶する
②菓子器を両手で少し掲げた後正面に置き、「頂戴します」と手をつき挨拶
③懐紙を束ごと出して、膝前に置く(懐紙は「輪」が手前で)
④菓子器に置かれている黒文字を手に取り、お箸のように使い、一番下にあるお菓子(同じ高さにいくつかあればその一番右)を懐紙に取る
⑤黒文字のお菓子をとった部分を、懐紙の右上を折って拭き、最初と同じように菓子器にのせる
⑥菓子器を縁外、次の方との間に送る
(自分で最後の時は、菓子器の正面を向こう向けにして、縁外自分の正面に置いておきます)
挨拶は、雰囲気を見て、声を出さなくても大丈夫です
菓子器の形によって取り方が変わる場合もあるので、前の方の人のやり方を見ておいたりしておくと、予習ができます
お菓子を食べるタイミングは、先頭の正客さんが食べ始めてからで、菓子切りを使って食べます(一部手で割った方が食べやすいものもありますが)
お茶席では、お茶とお菓子を同時にいただくのではなく、先にお菓子を食べておきます。先にお菓子を食べることで、本題のお茶の味が引き立てられます
お茶をいただく
お運びさんがお茶を運んできてくれます
広く募集しているお茶会では基本的に薄茶だけですので、薄茶のいただき方を説明します
①お運びさんの礼を受けます
②出されたお茶碗を右手で取ってきて、左手に載せ支え、右手で縁内・前の客(右側)との間に置き、「お相伴いたします」と挨拶
③右手でお茶碗を取り、先ほどと同様に扱い、右手で縁内・後ろの客(左側)との間に置き、「お先に頂戴します」と挨拶
④右手でお茶碗を取り、先ほどと同様に扱い、右手で縁内・正面に置き、「頂戴いたします」と亭主に挨拶
⑤右手で取り、左手にのせ両手で扱う形を作り、少し掲げてから、右手を使って時計回りに、二回で90度回します
⑥両手で持って味わっていただきます
⑦飲み終えると、吸い口を指で拭い、正面を外側向けて、縁外に出しておきます
⑧回収にきたお運びさんに礼
挨拶は、雰囲気を見て、声を出さなくても大丈夫です
②と③の隣のお客さんとの挨拶は、すでに飲み始めていて手間を取らせてしまいそうな場合や、同時に運ばれてきた場合などでは省略してもよいです
お茶碗を回して飲む理由については、下の記事をご覧ください
飲み終えたお茶碗を拝見したい場合は、⑦で飲み終えて吸い口を拭った後、正面を自分に向け、以下のようになります
①お茶碗を縁内・膝前に置く
②お茶碗の両外の畳に両手を付き、お茶碗の全体を見る
③お茶碗を両手で持ち(右手で横から・左手でそこから支えて)、肘を膝についても良いので、低い位置でしっかり拝見
④お茶碗を元の位置(縁内・ひざ前)に置き、最初同様、両手を付き、全体を見る
⑤お茶碗の正面を(反時計回りで)外側に向けて、縁外正面に出す
⑥回収に来たお運びさんに礼
③の両手で持ったところがしっかり拝見できる時間なので、ここで心残りのないように、しっかり見ておきます
お茶会の終わり
最後に亭主との挨拶があり、お茶会は終わりとなります
扇子を前に置いて挨拶し、亭主が退出されると、正客さんから挨拶があったりします
それが終わると、多くのお茶会では、そのまま解散という形が多いです
大丈夫そうなら、床や、点前座の道具を拝見させてもらってから、各々席をでていきます
まとめ
ということで、この記事についてまとめますと
・一般に開かれたお茶会では、作法はできなくても大丈夫
・先頭(正客の席)に座らないことは超重要
・服装・持ち物の準備を整える
・作法の予習・確認にこの記事を使ってください
初めてのお茶会というのは、不安も多いでしょうが、亭主側が粛々と動く、静かなお茶室の中でいただくお茶の味は格別ですよ
この記事が、そんな初めてのお茶会を迎えるみなさまの、少しでもお役に立ったならば嬉しいです
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
お茶会の流れ・持ち物については下の記事に詳しく書いていますので、ご参考くださいませ!