初めまして。茶道講師の山下晃輝です。
今回の記事は抹茶のレビューです。
山政小山園さんの「深瀬の昔」。表千家13代・即中斎宗匠お好みの抹茶です。
(同価格の「天王山」、裏千家・鵬雲斎大宗匠御好の「葉室の昔」、武者小路千家・不徹斎家元御好の「宇治上の昔」等と同等品です)
今年の初釜の濃茶に使わせていただきましたし、これまでも初釜で何度か使わせていただいています。
味はと言いますと、
この抹茶の特長は、何といっても、
旨味
です。
じっくり噛むように味わうと、奥から甘味が出てくるような、
深みのある旨味です。
香りも豊かで深みがあります。
「深瀬の昔」は、「〇〇の昔」となっているので、濃茶用の抹茶になります。(「〇〇の白」は薄茶用)
濃茶は薄茶の4倍の濃さになりますから、濃くても美味しく飲めるように、
濃茶用の抹茶は薄茶用以上に手間暇かけて作られ、苦味渋みなく甘味の強い抹茶となっています。
そうして練られる濃茶は、茶の湯が始まった当初から現代に至るまで、
お茶会のメインディッシュ
です。
この「深瀬の昔」の旨味は、
茶の湯が始まった当初の戦乱の時代、亭主が収集した渾身の茶碗に入る、極上の抹茶・濃茶をいただく時間のありがたかっただろうこと、
そしてそれが確かに、現代にもつながっていることを感じさせてくれます。
30gで2700円(2020年2月時点)なので、濃茶一服(4g)360円ということで、普段使いには厳しいので初釜などお茶会用として使っています。
みなさまもぜひぜひお試しくださいませ。