「栄螺蓋置(さざえふたおき)」のお点前・扱い【画像付】ーわかりやすく解説

お点前【表千家】
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初めまして。茶道講師をしている山下晃輝と申します。

サザエの形をした、栄螺蓋置さざえふたおきという蓋置がありますが、そのまま置けばよいだけの一般的な蓋置と違い、特別な扱いがあります。

ということで、この記事では、

お点前での扱いのポイント

成り立ちと造り

についてわかりやすく、できるだけ簡潔にまとめてみました。

お稽古の予習・復習などにお使いくいただけたらうれしいです。

では早速みていきましょう!

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さざえ蓋置のお点前のポイント

お点前に関しては、さざえ蓋置は裏返して使いますが、そのタイミングがポイントになります。

正面の決め方も難しいです。

※お着きの先生と異なる説明となる部分もあるかもしれませんが、ご了承ください。

早速ですが、

お点前の際の裏返すタイミングのポイントは、

さざえ蓋置を裏返すタイミング


普段は「殻が上」

サザエが海にいる時は、殻が上の状態ですよね。さざえ蓋置もその状態が基本になります


上に何か置く時「口が上」に

柄杓や、釜の蓋を置くには、殻が上では無理なので、その直前に裏返し、「口が上」の状態にします

こうなります。

以下で少し具体的にみていきましょう。

一般的な棚を使ったお点前の場合

まず準備。建水には「殻が上」の状態で仕組んでおきます。

お点前が始まり、いつも通り道具を運び出し終えると、蓋置を右手で取り、左手の上にのせ、
いつもの場所におく直前に、右手を使って左から右へ打ち返します。(ここで「口が上」になります)

そして蓋置を置き、柄杓を掛け、礼。以後普段通りにお点前を進めていきます。



お点前を進めていき、お点前の終わりかけ、柄杓と蓋置を飾っていくところでまた扱いがあります。

まず、柄杓を棚に飾り、それから蓋置を右手で取り、左手の上で、(さっきと逆で)右から左へ打ち返します。(ここで「殻が上」になります)

(炉の場合棚に向き直り)蓋置を飾り、あとはいつも通り道具を引いていきます。

普通の薄茶点前では、お点前の最初と最後に裏返す、という感じです

正面をどこにするか?

殻が上の状態で「殻の先が左」、というのが基本です。(裏返した時「殻の先が右」にいく形です)

ですが、柄杓の置きやすさ、ということも大切で、その状態からお点前中のように裏返して、柄杓を掛けてみます。

そうしてみて、置きにくいと感じるなら、まず柄杓を置きやすい向きを決めてから、表返して、その位置を正面にするのもありです。

ということで、

正面を決めるポイントをまとめますと、

基本は「殻の先が左」

柄杓の置きやすさも大切

お点前を始める前に、置きやすさを確認するのがポイントです

さざえ蓋置の成り立ち

さざえ蓋置は、七種蓋置の一つですが、江戸時代中頃、様々ある蓋置の形の中から代表的なものが選ばれたのが七種蓋置です。

ですから、さざえ蓋置も、江戸時代茶道が行われる中で生み出され、広まっていったものでしょう。

七種蓋置は千利休が選んだ、という話もありますが、それはさすがに無理があると思います。

さざえ蓋置の造り

今回画像で使ったものは陶器製ですが、銅のものもあります。

形は作る方によって一つ一つ異なります。

扱いとして「裏返して使える」というのが決まりなので、そのなかでどういうものを作るか、というのが、職人の工夫のしどころ、腕の見せどころになります。

どのさざえ蓋置も、ちゃんと置けるように設計されて作られています

まとめ

扱いについてまとめると、以下のようになります。

まとめ


お点前のポイント

普段は「殻が上」
上になにか置くとき「口が上」に


正面の決め方

基本は「殻の先が左」
柄杓の置きやすさも大切

栄螺蓋置は、こうした扱いのおもしろさと、

一つ一つ形は異なるのに、どれも裏返して使えるように作られている、職人の工夫が感じられるのが魅力の蓋置です。

では、さざえ蓋置でのお稽古をお楽しみください

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