利休忌とは|表千家と裏千家の内容・着ていく着物

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『mame-sadou.com』にようこそ、表千家流の茶道講師・やましたです!

利休忌について、表千家・裏千家の各茶道流派ごとの内容と、ふさわしい着物、どういった行事か、を解説しています!

表千家と裏千家それぞれの流派で別々に催される行事なのですが、内容としては、どちらでも供茶と七事式が行われますし、共通点も多いです。

利休忌とは、千家の初代である利休居士を偲ぶ行事ですので、厳かな感じがして、
特に初めて参加される方は、「どんなことが行われるのだろうか?」「どの着物を着ていけばいいのか?」気になっているかもしれません。

この記事を読み終えることで、内容や着物など利休忌について、一通り知っていただけるはずです!

では早速見ていきましょう!

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利休忌とは

千利休は、精神性と、侘び寂びの美に軸を置いた「茶道」を大成した人物として知られていて

その流れは、現在に続く多くの茶道流派に引き継がれていますが

そんな千利休が亡くなられたのは、1591年2月28日。切腹を命じられこの世を去りました

この利休居士の遺徳を、毎年命日にちなみ偲ぶのが「利休忌」です

千家の菩提寺である大徳寺で、毎月28日に三千家が交代で月命日の法要が行われ、こちらも「利休忌」と呼ばれることもありますが、この記事では一年に一度の「利休忌」についてまとめていきます

各流派の家元で行われるものを筆頭に、各研究会や各教室ごとに行われるものまで全国で広く行われます

日程

この「利休忌」は、主に表千家と裏千家で大きな行事として執り行わられています

旧暦の2月28日が命日ですので、新暦になおすと3月か4月になるのですが

取り決めで、毎年、表千家が3月27日、裏千家が3月28日に行うことになっています

利休忌の内容

表千家

表千家の利休忌の内容として、家元で行われている内容を見ていきます

先生ごとに少しずつ異なる内容をとっている場合もありますが、家元の形式がベースとなっています

当日は、表千家の門人・数百人が家元に集まります

供茶くちゃ(お茶とう)

床に利休居士の画像を掛けて

家元自ら、仏前にお茶をお供えするお点前「供茶くちゃ(お茶とう)」で、利休居士にお供えするお茶を用意します

利休居士にお茶をお供えした後、一同で薄茶をいただきます

七事式

利休居士にお茶を供える「供茶」が終わると

7代如心斎の時代に完成された特殊な稽古法・七事式を行います

表千家では例年、「廻花」「茶カブキ」が行われることになっています

廻花(まわりばな)

七事式の内の一つで、主客が順々に、一つの花入れに花を入れていくというものです

前の景色を受け、工夫して花を入れる鍛錬となります

茶カブキ

こちらも七事式の内の一つで、室町時代に流行した「闘茶」に起源があります

3種類の濃茶を飲み、どれがなんのお茶であるかを当てるというものです

やり方としては、亭主役が点てた、まず2種の試茶を飲み味を覚えておき、その後3種類の本茶を順に飲み、予想します

七事式については、下の記事で解説していますので、ご参考ください

家元にならって「供茶」「廻り花」「茶カブキ」という内容を行う教室もありますし

「供茶」に続いて、七事式の内からまた別のものを選んで行う教室もあります

うちの教室でも、「供茶」に続いては、七事式の内でも初心の内でも参加しやすい「数茶」「一二三」を行っています

裏千家

裏千家の利休忌の内容として、家元での利休忌の内容を見ていきます

当日には、全国から門人数百人が集まり、行われます

お茶湯(おちゃとう)

床に利休居士の画像を掛けた中

仏前にお茶をお供えするお点前「お茶湯ちゃとうで、利休居士にお供えするお茶を用意します

七事式

七事式の内容は、裏千家では毎年決まったものではないようです

おおよそ、「且座」「茶カブキ」「花月」の内から3、4選んで行われています

裏千家の花月はバリエーションがありますので(11種ですかね?)、そのうちのいくつかが毎年取り上げられる形です

七事式は、表千家7代と、その弟である裏千家8代も一緒になって作ったものなので、基本的な内容は変わらないようです

且座

七事式の内の一つで、茶事(正式なお茶会)の内容を集約したものです

客3人と亭主・半東の5人で行います

正客が花を生け、次客が炭をつぎ、三客が香をたき、亭主は濃茶、半東が薄茶を点てます

茶カブキ

こちらも七事式の内の一つで、室町時代に流行した「闘茶」に起源があります

3種類の濃茶を飲み、どれがなんのお茶であるかを当てるというものです

やり方としては、亭主役が点てた、まず2種の試茶を飲み味を覚えておき、その後3種類の本茶を順に飲み、予想します

花月

「花月」も七事式の内の一つですが、最も難解で厳格とされます

五人で行い、一服点てるごとに一人ずつ札を引き

「花」の札が当たった者が次のお点前、「月」の札が当たった者が出されたお茶を飲む

というものです

利休忌の着物

茶道の世界では、場面ごとにふさわしい着物というのがありますが、「利休忌」ではどうでしょうか

「利休忌」は、利休居士の遺徳を偲ぶための行事です

ですので、参加される方は、一般的には、お祝い事のような明るめの着こなしは避けて

抑えめな着こなしにしておけば、まず間違いないかと思います

具体的には

着物

抑えめの地色の色無地(派手な地色は避けるのがベスト)

同じく抑えめの江戸小紋などでも良いでしょう

金糸や銀糸の入っていない、装飾・地色が抑えめの帯

小物

派手にならないようコーディネートする

こうした着こなしなら、まず間違いないかと思います

周りに参加したことがある方がいれば、その方に聞くのがもっとも間違いのない方法です

主催者の違いや当たる役(七事式のお点前など)によっても色々とありますので、その「利休忌」に参加されたことがある方に聞ければ、もっとも確実な情報が得られます

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まとめ

ということで、利休忌についてまとめますと

「利休忌」は、利休居士の命日に毎年行われる、遺徳を偲ぶ行事

内容は、表千家も裏千家も同じく、「供茶」のあと「七事式」を行う

着ていく着物は、抑えめな着こなしを意識する

抑えめな着物に身を包み、利休居士にお茶を供え一同で偲び、その場で七事式の研究をする

毎年同じように繰り返される「利休忌」を迎えると、また心地よく気が引き締められるように感じるものです

以上です!

この記事が、利休忌について知りたいみなさまの、少しでもお役に立ったならば嬉しく思います

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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