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「瀧直下三千丈」の禅語の意味、由来、時期、現代語訳を解説した記事です。
この禅語「瀧直下三千丈」は、かの有名な中国の詩人・李白の、「廬山の瀑布を望む」と題された漢詩を原典としています。
茶道をしている方は、夏のお茶席で掛軸として目にされたことがあるのではないでしょうか。
この記事を読み終えることで、瀧直下三千丈とは何か、一通り知っていただけるはずです!
それでは早速見ていきましょう!
「瀧直下三千丈」の現代語訳
「瀧直下三千丈」の現代語訳は下のようになります。
瀧ははるか天から真っすぐに落ちてきているようである
・直下=まっすぐに落ちること
・三千丈=(1丈が約3mなので)約9kmの長さ
三千丈は「とてつもない高さ」を表しての表現なので、「はるか天から」というように訳しています。
「瀧直下三千丈」の由来
「瀧直下三千丈」の由来は、かの有名な唐の詩人・李白(701年-762年)の「廬山の瀑布を望む」という漢詩にあります。
日は香炉を照らして紫煙を生ず
遥かに看る 瀑布の前川に掛かれるを
飛流 直下 三千尺
疑うらくは是れ 銀河の九天より落つるかと
■現代語訳■
西の山・香炉峰に日が差し
紫色のもやが立ちのぼる、
遥か彼方に 大きな瀑布が
真下の川になだれ落ちるのが見える。
飛ぶが如く
流れはまっすぐ落下すること三千尺(900m)、
もしや天の彼方から
天の川が落ちてきたのではと驚かされるほど。
雄大な自然の中のすばらしい情景に出会った感動が感じられる詩です。
掛軸の禅語としては「三千丈」として書かれるのですが、原典の李白の詩では「三千尺」となっています。
この詩は短めですが、同じ情景を詠んだ長めの詩もありそちらもよいので、ご興味ある方はお調べください!
「瀧直下三千丈」の意味
「瀧直下三千丈」の意味、お茶席の掛軸として使われている場合を考えますと、「心を洗う」というところにあるでしょう。
三千丈の高さから、まっすぐに落ちてくる滝の前に立ったとすると、すさまじい音がするでしょう。水しぶきも飛んでくるはずです。
その滝の落ちる轟音は、心を満たし、余計な雑念や感情をすべて洗い流してくれます。
茶道の瀧の掛軸には、「瀧」の字の最後を、滝が流れる画のように書いたものが多いです。
目の前に滝が落ちる様子を感じさせようと書いてくれています。
ですから、「瀧直下三千丈」の掛軸を見るときには、とにかく、目の前に落ちる滝を感じることです。
「瀧直下三千丈」の時期
「瀧直下三千丈」の時期について、お茶席においては、涼やかさがありますし、滝の落ちる音と雨とを重ねて、
梅雨の6月ごろ〜8月という、夏の頃によく掛けられます。
まとめ
ということで、「瀧直下三千丈」についてまとめますと、以下のようになります。
・現代語訳は「瀧ははるか天から真っすぐに落ちてきているようである」
・由来は李白の漢詩『廬山の瀑布を望む』
・目の前に落ちる滝を感じることで、心を洗う意味合いがある
・掛けられる時期は6月〜8月が多い
以上です。
この記事が、瀧直下三千丈とは何き、調べている皆様のお役に立ったならば嬉しく思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!