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「閑座聴松風」の禅語の意味、時期、現代語訳について解説した記事です。
「松風」は、茶の湯の世界では釜の湯が煮える音を指すことから、お茶席の掛軸としてよく掛けれる禅語です。
茶道をしている方には、目にしたことがある方が多いのではないでしょうか。
この記事を読み終えることで、閑座聴松風とは何か、一通り知っていただけるはずです!
それでは早速見ていきましょう!
「閑座聴松風」の現代語訳
「閑座聴松風」の現代語訳は、書き下し文が「閑座して松風を聴く」となり、下のようになります。
心閑かに座りただ松風の音を聴く
・閑座=心閑かに座ること。また座禅すること
・聴=聴く(「聞く」より目的を持って注意深くというニュアンス)
・松風=松の風に吹く風(ここでは音)
「閑座聴松風」の意味
「閑座聴松風」の意味は、心閑かにいることで、普段は意識しないような音も心地よく聞こえてくる、というものです。
慌ただしい時には目の前のことに必死です。
それを終えて、「ふうっ」と一息つくと、ふと気づくことがあります。
松に限らず、近くにある木が風に揺られ、サラサラと鳴っている音。
虫の音でも、花の香りということもあるでしょう。
特に茶道の世界では「松風」を「釜の湯の煮える音」という意味でも使います。
どんな忙しい一日でも、茶室に入ると「ふうっ」と息を吐き、心閑かに座ってみる。
そうすると、釜の煮える音、茶室の外の自然の音が、心地よく耳に響いてきます。心の塵を払ってくれます。
「閑座」することを意識することは、心豊かに過ごすヒントなのかもしれません。
「閑座聴松風」の時期
「閑座聴松風」の時期は、お茶席では5月・6月頃や、10月・11月頃に掛けられることが多いです。
5月・6月頃というのは、「風」の字の入った禅語は涼やかなため、茶道では夏向いた時期に使われることが多いです。
10月というのは、心閑かに釜の音を聞いて風炉の名残り感じましょう、という意味で掛けられやすいです。
11月は炉の始めなので、これもまた釜の音を味わいましょう、というような意味合いで掛けられることが多いです。
まとめ
ということで、「閑座聴松風」についてまとめますと、以下のようになります。
・現代語訳は「心閑かに座りただ松風の音を聴く」
・意味は、心閑かにいることで、普段は意識しないような音も心地よく聞こえてくる、というもの
・茶道で掛けられる時期は、5月・6月頃や、10月・11月頃に掛けられることが多い
以上です。
この記事が、閑座聴松風とは何か、調べているみなさまのお役に立ったならば嬉しく思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!